片羽の鳥



産声は悲痛な叫び

独りぼっちになった証し

生まれ変わり

記憶を消去された刹那への畏れ





巡り会う迄の途方もない時間と

巡り会えないかもしれない不安

巡り会えた時の絶望と失望





疼く背中は片方の翼を無くした場所

同じ痛みで震える仔を探し続けた



見つけた貴方の拘束具は錆び付いているのに

苦悶の笑顔を見せたまま外そうとしない



貴方に触発され暴挙に出たのに

私もまた頑丈で真新しい拘束具に

力を抜いて諦めてしまう



還れないね

どんな強く願ったとしても

真っ白な翼で

手を繋いで飛んだ青空には



堕ちた衝撃で折れた翼が

左右違ったから

手を繋げば行けると思ったんだ

たとえ漆黒になっていても



浅はかなのは永遠の昔から

私ばかりだった気がする

貴方は嘲笑気味に私を見ていた





そんな気がする