最期の恋人



束縛を愛と錯覚したまま

育ってしまったのを

誰かの所為に出来る程

最早子供ではない

私は



貴方は謂う

「僕を傷つける事で愛を教えて」

貴方は微笑む

「好きなだけ壊してしまって欲しいの」



望む事が叶うままになるのを

少し怖いと感じながら

愛しくて離せなくなってゆく



貴方は私を殺してはくれない

其れがいつか唯一の歯痒さになるんだろう

私も貴方を殺したり出来ないだろう



刺し違えているのは混線気味な

精神の奥深い場所

肉体を持て余してヒステリック

分岐点で誤ったのは私だから

「御免。」