暴く人



絡める指先には打算が無くて

貴方の愛情に溺れてゆく

己の我儘さが貴方を食らって仕舞いそう

甘やかな時間はルーレットのスピードで

独りを恐怖に換えて嗤う

大音量で過去が舌を出して罵り

愁いある貴方の睫毛を想い乍ら

必死で美しさに縋る

綺麗な物が愛しいのは羨望と憧景

「少しだけあたしが子供で居る事を赦して」

貴方は包んで微笑うから

また独りの刃が走るのだ