狂人



ズルイ人は、とても上手に甘く優しく人を傷つけるんだ。

竹箆返しと気付いたら少しだけ笑えた。

可愛い見た目、貫く瞳、判る者同士だけの魂の交信。

ミサイルが飛んできたら、君はどうする?

僕は両手を広げて撃ち抜かれたがるマゾヒストなんだ。

そして発射ボタンを乱打していた頃は冷血に笑うサディストだった。

余裕とは違ったんだ。

全部全部自分の物にしたい子供だったんだ。

黄昏ながら君を思い、震える指先でボタンに

「やれ、急げや!」

と、命令を念じる。



終わらせたいんだ、何か一つでいいから。

其れが譬え、君との絆であっても。

泣くのは僕だけだから。

さぁ、早く撃ち込んでくれ。

間違わないで居て欲しいのは、僕は狂ってなんて居ないって所だけさ。

ただ、ほんの少し欲深いだけの事。