頭の中の声




痛い痛い 傷みが痛い 数えたら余計に痛い 酷い傷みが酷く痛い 小さな痛みは針刺すように脈を止めぬ痛い痛い 心が一番痛い 恐怖に余りにも近い痛さ傷み 守るな 笑うな 離れるな 離れるな 裏切るな 舐めろ 引き裂け 忘れよ 忘れ得ぬ痛み 怖い怖い一人は怖い 何処にも行かないで 傷み 痛いけれど其れでも往かないで 置いて行かないで 待てない性分故 噛み千切って欲しいから 噛み千切って居るの紅くも黒くも 況して透明でも無い水分を 摂れば摂程壊れてゆく 組織 脂肪 絶対君主が流れ落つ 痛い侭為らぬ翼ならば流れ逝けば血でしか有らざらん 欠損したのは 双児でも 個児でも 耳でも 爪でも 髪でさへ無い 血の痛みに報復したい 極めて情けない恥辱で清められたい 根が生える 生えた 葉なぞ出んかった 痛い 暗い 眩すぎるのも怖い イケナイハシタナイ言葉を叫んで 一層鳥小屋か鉄格子か電気椅子 刃物を研ぐ音は心地良くて鳥肌が立つ 怖くて痛い快が在る 寄越される 刃物 首と胸の真ん中と両の手首 膣 五本の包丁 過ぎ去る時間が傷になる 老いる事は幸なれど 想い出が痛い 健忘症になる ケミカル 一生の夢を見ない 脳味噌改増改造 暴かれて爆ぜよ 傷めたい 怖がりの癖に 本当はヨチヨチ歩きも放つ単語 壱つも選んで怖がる 痛い 痛い もう助からない 愛も 心も 人も 機械も 駄目でしょうか 望みを持った日が一番馬鹿だった日か 愛を傷つけてばかり 沢山泣かせては 泡銭万歳




喰らへ。