片羽の鳥


ざわめく私の鼓動に

気付いたりしないで

情けない涙は此の肉体の絞り滓

錆び付いた朝に

だらしない笑みを零す為だけの


私の厭らしい野望や粘着に

貴方は絡まったりしないで

前だけを向いて

死に向かって歩み続けて


ただ願うは

私の知らぬ間に

居なくなったりしないで欲しいよ

私を睨み付け乍ら私の魂を

切り取って貴方に埋めて欲しいよ

次の世に会う時のプロセスとして


じゃなきゃ嫌だ

私のざわめく波を

死に際に鮮明に知ってくれなくちゃ



どうしても



嫌だ