猫の眼



笑顔を思い出すと

隠している涙が熱く溢れた


貴方の仕草、声、指先、表情、躊躇…

其のどれもがあたしを震わせるよ


安く吐いて出してくれたら

あたしは貴方を忘れられた


あたしの名前を呼んで?

好きなだけ触れて

あたしも同じだけ触れたいから


あたしは影

闇色の愛情

決して漆黒ではなく

全てを内包する限りなく黒に近い雫


愛している

言葉は無駄を背負うから

本当は貴方の前では猫でありたい